トマトが赤くならない原因は?失敗しない栽培のコツと追熟方法を解説!

家庭菜園で人気のトマト。青々とした実が次々とつくものの、「なかなか赤くならない…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。せっかく丹精込めて育てたのに、色づかないまま収穫時期を迎えるのはもったいないですよね。
この記事では、トマトが赤くならない原因と対策、さらに収穫後の追熟方法まで、初心者でも実践できるポイントをわかりやすくまとめました。
Contents。
トマトはなぜ赤くなる?色づきのメカニズム
トマトが赤くなるのは、果実内の色素の変化によるものです。最初は緑色のクロロフィルが多く含まれていますが、熟すにつれてリコピンという赤色の色素が増加していきます。
この「熟す」というプロセスは、気温や日当たりなどの栽培環境に大きく左右されます。つまり、何かしらの条件が整っていないと、トマトは赤くならないまま止まってしまうことがあるのです。
トマトが赤くならない主な原因5つ
1. 気温不足
トマトは暖かい環境を好む野菜で、果実が赤くなるには一定の「積算温度」が必要です。特に熟すまでには、合計800℃ほどの温度が必要とされています。
気温が低い日が続くと、その分赤くなるまでに時間がかかります。夏の終わりや秋の気温が不安定な時期は、実がなっても赤くなるのに時間がかかりがちです。
2. 日照不足
日光はトマトの成熟に欠かせません。葉が茂りすぎて実に日が当たらなかったり、プランターの設置場所が日陰だったりすると、光合成が不十分になり、色づきが遅くなります。
3. 肥料不足または栄養バランスの偏り
実をたくさんつけるトマトには、しっかりとした栄養補給が欠かせません。特にリン酸が不足すると、果実の発育や色づきに悪影響が出ます。
また、窒素ばかりが多い肥料を使うと、葉ばかりが茂ってしまい、実の成熟が遅れる原因になります。
4. 実がつきすぎて栄養が分散
あまりに多くの実を同時に育てていると、栄養が分散されて一つひとつの実がうまく熟せなくなります。摘果(実を間引くこと)をすることで、残った実に栄養が集中し、赤くなりやすくなります。
5. 空気の流れや湿度の問題
風通しが悪いと病害虫のリスクも増えますが、それだけでなく熟成の妨げにもなります。密集した葉や茎を適度に間引くことで、空気の循環がよくなり、成長環境も整います。
トマトが赤くなるまでにかかる日数の目安
トマトの種類によって成熟にかかる日数は異なります。おおよその目安は以下の通りです:
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ミニトマト・中玉トマト:開花から約40日
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大玉トマト:開花から約50日
気温や日照時間などの条件によっては、これ以上かかることもあります。「なかなか赤くならない…」と焦らず、環境を整えて気長に見守ることも大切です。
青いトマトは食べられる?注意点と活用方法
完熟前の青いトマトも、実は食べられます。ただし、味は酸味が強く、えぐみもあるため、生食にはあまり向いていません。
おすすめは加熱調理。例えば、ピクルスにしたり、炒め物や煮込み料理に加えたりすると、独特の風味が活きて美味しく食べられます。
今すぐできる!トマトを赤くするための対処法
■ 不織布で保温してみよう
気温が足りない場合は、実の周りを不織布で包んで保温するのが効果的です。必ず光を通す素材を選び、トマトがしっかり日光を浴びられるようにしましょう。
■ 葉や茎を整理して日当たりを改善
葉が茂りすぎている場合は、適度に剪定(摘心)を行いましょう。実の部分に日光と風が届くようになり、熟しやすい環境をつくることができます。
■ 肥料を見直す
バランスのよい肥料を追肥として与えることで、熟成を促すことができます。リン酸の多い肥料や、チッソ・リン酸・カリが均等に配合されたものが最適です。ただし、チッソの多い肥料は避けるよう注意しましょう。
収穫後でもOK!青いトマトを赤く追熟させる方法
どうしても赤くならない場合は、青い状態で収穫して追熟させることもできます。
1. 日当たりの良い場所に置く
収穫した青いトマトを室内の明るい場所に2〜3日置いておくだけで、自然に色づいてきます。
2. リンゴと一緒に袋に入れる
もっと早く赤くしたい場合は、リンゴと一緒にビニール袋に入れて密封する方法がおすすめ。リンゴから出るエチレンガスが、トマトの追熟を促進してくれます。
最後に:トマトを上手に赤くして、美味しく味わおう!
トマトがなかなか赤くならない原因は、環境や管理方法によるものがほとんどです。少しの工夫で改善できることが多いので、焦らず一つひとつ対策を試してみてください。
しっかり赤く熟したトマトは、甘みも旨みもたっぷり。家庭菜園だからこそ味わえる感動の味を、ぜひ収穫の喜びとともに楽しんでくださいね。