初心者DIY。

青の作成に役立つ色とその比率解説。

目安時間 10分
  • コピーしました

絵を描く上で「青」は欠かせない基本色です。

しかし、実際に求める青色を出すには、単に市販の青を使うだけではなく、用途や表現に合わせた濃淡やニュアンスの青を自分で調合することが求められます。

この記事では、「青をつくるには」どうすればよいのか、青色の基本やその変化、具体的な混色の比率、そしておすすめの絵具などを詳しく解説します。

 

青色の基本とその重要性

青は基本の原色

伝統的な絵の具の世界では、青は赤、黄色とともに三原色の一つです。

つまり、他の色を混ぜて純粋な青色を作ることはできず、青色自体は原色として存在します。

ただし、絵画では青一色だけではなく、空や海、夜空のようにさまざまな青の濃淡や色調が求められるため、既存の青色に白や黒、あるいは他の色を加えて調整する技法が重要になります。

青色の役割と魅力

青は、冷静さや清涼感、広がりを感じさせる色として多くのアーティストに愛用されています。

空や海の表現、さらには日本の伝統色としても「藍」や「群青」として親しまれており、作品全体の印象を左右する大切な要素となります。

用途に合わせて、鮮やかな「青」から深みのある「群青」や「藍色」まで、幅広いバリエーションを作り出すことができれば、表現の幅は格段に広がります。

青色の濃淡とニュアンスを調整する基本テクニック

青色は、そのままでは一定の色調しか持ちませんが、以下の方法で濃淡やニュアンスを調整できます。

白を加えて水色に

青に白を加えると、明るく柔らかな水色ができます。

たとえば、透明水彩やアクリル絵具の場合、基本の青(例:ウルトラマリンブルー)に白を混ぜることで、空のような爽やかな水色を表現できます。
【具体例】

  • 【ウィンザー&ニュートン】のウルトラマリンブルーとホワイトを、概ね青4:白1の割合で混ぜると、程よい水色になります。
  • 使用する際は、水の量で濃度を微調整できるため、絵具の透明感を活かしながら調整するのがおすすめです。

黒を加えて紺色や藍色に

青に黒を少しずつ加えると、深みのある紺色や藍色が作れます。

黒は非常に強い色なので、少量ずつ加えることがポイントです。
【具体例】

  • 【ホルベイン】の青色絵具に対して、黒を青4:黒1の比率で加えると、落ち着いた紺色が得られます。
  • さらに黒を加えれば、より重厚で暗い藍色に仕上げることも可能です。

赤や紫を加えて青みがかった紫に

青色に赤や紫を少し加えると、青紫や藍紫といった色味が作れます。

これらは、夜空や幻想的な風景画などに適しています。
【具体例】

  • 青と赤を混ぜる場合、青5:赤1程度が目安。赤を加えると、青がやや紫っぽく変化し、情感豊かな表現が可能です。
  • 赤紫系の顔料(例:マゼンタ)を使う場合は、青に対して青5:赤紫1と調整すると、上品な群青色が得られます。

黄色を加えると緑がかる青に

青と黄色を混ぜると緑色になりますが、黄色をほんの少し加えると、青に透明感や明るさが加わり、ターコイズブルーやシアンに近い色味になります。
【具体例】

  • 青に黄色を加える比率は、青が主体となるように青5:黄色1程度が目安です。
  • この方法は、特に海や水の表現に適しており、柔らかなターコイズブルーを作ることができます。

青色のバリエーションを生み出す応用テクニック

群青色の作成

群青色は、深みがありながらも鮮やかな青として、風景画などで重宝される色です。
【具体例】

  • 群青色を作るには、水色と赤紫(または赤)を混ぜる方法が一般的です。
  • 理想的な配合比は、水色4:赤紫1。水色に対して少量の赤紫を加えることで、独特の深い青が生まれます。
  • 実際の絵具セットでは、【ウィンザー&ニュートン】や【ホルベイン】の顔料を使用すると、安定した群青色が得られると評判です。

インディゴや藍色の再現

日本の伝統色「藍」は、独特の深みと渋みがあります。

市販の青色絵具の中でも、【ウルトラマリンブルー】や【コバルトブルー】に比べ、藍はより落ち着いた印象を与えます。
【具体例】

  • 藍色を再現するには、基本の青に黒を少量加え、さらに場合によっては緑や赤紫を微調整して加える方法が有効です。
  • 比率の目安は、青:黒=4:1~青:黒:赤紫=4:1:0.5。
  • この方法は、和風の作品や落ち着いた雰囲気を求める場合に特におすすめです。

ターコイズブルーの作成

ターコイズブルーは、青と黄色の絶妙なバランスが特徴です。
【具体例】

  • ターコイズブルーを作るには、青に白を加えて薄くし、さらに黄色をごく少量加えます。
  • 例えば、青:白:黄色=5:2:0.5程度が目安となります。
  • この比率で、鮮やかでありながらも柔らかいターコイズブルーが得られ、風景画や抽象画に最適です。

おすすめの絵具とツール

ここまで、色の混合比率や調合テクニックを解説してきましたが、実際に試す際に役立つおすすめの絵具やツールもご紹介します。

おすすめ絵具ブランド

  • ウィンザー&ニュートン (Winsor & Newton)
    高品質な水彩絵具やアクリル絵具で定評があり、鮮やかな青色から群青色、藍色まで幅広く揃っています。特にウルトラマリンブルーは、濃度や透明感が調整しやすく、初心者からプロまで支持されています。
  • ホルベイン (Holbein)
    発色が良く、細かい色調整が可能な顔料が特徴です。ホルベインの青色絵具は、重ね塗りや混色に強く、プロの現場でも多く使用されています。
  • シュミンケホラダム
    フタロブルーなど独自の青系統の顔料があり、深みのある青を求める方におすすめです。

カラーパレットとミキシングツール

  • 専用ミキシングパレット
    絵具の混合には、専用のミキシングパレットが非常に役立ちます。例えば、【Liquitex】や【Winsor & Newton】のミキシングパレットは、広い面積で混色できるため、細かな比率調整がしやすくおすすめです。
  • 定量スプーンやパレットナイフ
    色の比率を正確に測るために、定量スプーンやパレットナイフを利用するのも効果的です。特に、細かい比率が求められる群青色や藍色の調合時には、こうしたツールが大変便利です。

実際に混色する際のポイントと注意点

少量ずつ調整する

色の混合は一度に大量に作るのではなく、少量ずつ調整することが成功の秘訣です。

たとえば、青色に白を加える場合、最初は極小量ずつ混ぜ、希望の明るさに達するまで徐々に量を増やしていきます。

絵具の特性を理解する

市販の絵具は、メーカーや製品によって顔料の純度や粒子の大きさが異なります。

そのため、同じ名称の青でも微妙に色味が違うことがあります。

実際に自分で混色する前に、各絵具の特性や発色、透明度をチェックしておくことが大切です。

試し塗りで確認する

混色後は必ず試し塗りを行い、実際の乾いた状態での色味を確認しましょう。

水彩絵具やアクリル絵具は、乾燥すると若干色味が変わることがあるため、最終的な作品に合わせた調整が必要です。

まとめ

青は芸術表現において非常に重要な役割を果たす基本色ですが、単に市販の青を使うだけでなく、用途に応じた濃淡やニュアンスを出すためには、他の色との絶妙なバランスが必要です。
本記事では、青に白を加えて水色を、青に黒を加えて紺色や藍色を作る方法、また青に赤や黄色を加えることでさまざまな青のバリエーションを生み出す方法について、具体的な比率とともに解説しました。
さらに、おすすめの絵具ブランドやミキシングツール、実際の混色時のポイント・注意点も紹介。これらのテクニックを使えば、自分だけの理想の青を自由に表現できるはずです。

青色は、表現する対象や情景によってその意味や印象が大きく変わります。空の青、海の青、夜空の青……それぞれの青が持つ魅力を理解し、適切な混色技術を身につけることで、あなたの作品に一層の深みと豊かさが加わります。

ぜひ、今回ご紹介した混色のテクニックやおすすめアイテムを参考にして、オリジナルの青を作り出し、あなたのアート表現をさらに豊かにしてください。新しい絵具セットやミキシングツールは、【ウィンザー&ニュートン】や【ホルベイン】、【Liquitex】などの専門店やオンラインショップで手軽に購入可能です。今すぐ試して、自分だけの「青」を見つけましょう!

 

  • コピーしました

この記事に関連する記事一覧

AD